January 04, 2007
断片からなる謹賀新年、2007
1. Wikipediaによる『ANIMAL RIGHTS / 動物の権利』の解説より
動物の権利(animal rights)とは、動物には人間から搾取されたり残虐な扱いを受けることなく、それぞれの動物の本性に従って生きる権利があるとする考え方である。これはすなわち動物の正当な扱いを訴えるだけではなく、人間以外の動物たちを人間と同等のモラル領域に含むことであり、革新的社会運動であるといえる。たとえば動物たちの苦痛を意識的に減らすべく努力することなど、これは人間社会においても実践される営みである。この指針によれば法的、または意識的に所有物として人間の意図目的のために動物が存在することを否定し、その代わり、動物は一人物として配慮されなければならないとするものである。
2. ギー・ドゥボールの『On The Passage of A Few Persons Through A Rather Brief Unity of Time / 比較的短い時間におけるとある数名の推移についての考察』より
「唯一興味深い投資といえるのは日常生活の解放である。これは歴史的概念ではなく、今ここに生きる我々におよぶ意識である。この試みにおいては、これまで自分が遠ざけていたあらゆるコミュニケーション法をあえて取り入れる必要が生まれてくる。」
3. アレン・ギンスバーグの詩集『Howl / 吠える』より
「僕はモンゴメリ通りをのぞむ1階の窓に面した机にけだるく座っていた。お下がりのタイプライターを所有し、目の前にはどこかの安い再利用紙があった。別にかしこまった詩を書いてやろうという考えを持つでもなく、ただ想像上の同情をありったけの言葉で表現しようと、やがて僕はタイプし始めた。僕の愛情は非現実的で、アイディアたるや脱世間的。そんな僕には得るものも無く、その紙にしたためられる自分にとって近しい、また同時に家族という体系、正当な教育、ビジネス、そして近代文学においては最もきまりが悪いたぐいの同情の言葉をただ楽しむだけである。」
4. ペマ・チョドロン『The Places That Scare You / 君が怖れる場所について』より
「まず始めに喜びとは、ただ単に自分の状態がうまく制御できることをさす。より自分にあった場所の探求というものをやめることにある。より良い世界を継続的に探し続けてもうまくいかないことを我々は認識する。これはけして今まで岩場であったところに突然花が生えてくるということではない。そこに何かが生えるという確信を得ることである。」
Happy new year.
Mike
Posted by Humans at 03:45 PM
July 21, 2006
こんにちは。何か作ってみた?

僕のベッドで昼寝するリボンスカーフ。
HUMANSの生地を使ってなにか作った人、それからリボンやポスターを使って何か面白いものを作った人はいるのだろうか。僕はいつもHUMANSが皆に向かって開かれたコラボレーションの糸口であると意識しているのだけど、なかなかそのコラボレーションの先や、HUMANSを生活に取り入れていたりする様子にお目にかかれる機会が少ない。もし君が何か作ったのだったら、ここに写真を送って欲しい。是非このHUMANSブログに掲載したいと思う。君が何を作ったか、見るのを心から楽しみにしているよ。blog@humans.jp
じゃあね。みんなが元気であることを願って。
マイク

ある晴れた日にスカーフを纏うゾーイ。
Posted by Humans at 12:35 PM
July 04, 2006
アリの新しい本。

アリの新しい本をしばらく前に手に入れたのだけど、ほんとに全てがうらやましい。こういう写真を見せられると僕自身も写真家になりたくなってしまう— 家で「仕事」をし、その日起こることを写真に撮り、実は一瞬一瞬が、僕らが「アート」と呼んでいる大きく謎めいたものそのものだということを意識して過ごすというのは、どれだけ素晴らしいことか。この本は主に彼の二人の息子と奥さんのジェニファーの写真で構成されるー ただ家のまわりにあるものだったりするのに、本当にきれいで、シュールで、悲劇的で、それでいて希望に満ちているように僕には思える。家族が一緒に織り上げるある意味狂気の世界というものは、最も興味深く、しかし最もとらえるのが難しいものだと思うのだけど、アリの作品を見ていると、その写真が撮られた部屋の空気がそのまま伝わってくるし、僕らには聞こえない会話や、10代になる前の少年たちの支配への欲望や大志の体現を感じ取ることができる。僕はいつだって人がごくシンプルな日常の出来事から一切手を加えずに驚きに満ちた美しい作品を作り出すとき、一番感動する。アリがすごいのは、彼が一人で仕事をすることが多いこと、トレンディーなわけでも決してないし、大都市に住んでるわけでもなく、25歳の駆け出しの余裕に満ちあふれているわけではない— けれど、人が見ている見ていないにかかわらず、毎日一生懸命働くところにある。これは本当に容易なことではないと思うし、もしかしたら一番難しいことであって、でもこのことこそが人が自分をどう思うかという依存から解き放たれる鍵なのかも知れない。そう、鍵だ。ここに彼の本から写真を数枚紹介する。許可を取ったわけじゃないけど、たぶん大丈夫だよね。たまにアリは僕に電話してきてものすごく長い間話し続けたりするから、これはそのお返しでもあるし。
ありがとうアリ。
愛を込めて、マイク

アリの奥さんと息子二人の写真。

僕の一番好きな写真。
アリ・マルコポーロス/Ari Marcopoulos "Even the President of the United States Sometimes Has Got to Stand Naked" (2006 JRP/RINGIER)
Posted by Humans at 12:10 PM
June 20, 2006
HELLO JAPAN

僕の映画、「Thumbsucker/サムサッカー」が東京渋谷のシネマライズにて8月末か9月上旬、ついに上映されることになったんだ!日本でやっと観てもらえるかと思うと嬉しくてしょうがない。来週僕は東京に行って、映画用のプレスやプロモーションをやる予定。6月26日はアップルストア銀座店で19:00-20:30の間、僕のこれまでのビデオ作品についての話をすることになってる。
そして翌日の6月27日には渋谷のタワーレコードで19:30から、同じような主旨で話をすることになってるんだ。君も良かったら来なよ!そして周りの人たちに映画が公開されることを知らせて欲しいーというのも、公開されてからの1週間で人があまり入らないと上映期間が短くなってしまうんだ。君が信じるかどうかわからないけど、こういう小さな映画を映画館に観に来ててもらうのは本当に難しいんだ。だからもし君が友だち一人にでもこの映画のことを話したとしたら、それはものすごく意味のあることなんだよ!!僕は1999年以来ずっと「Thumbsucker/サムサッカー」に取り組み続け、本当に想像がつく限りのありとあらゆることを学んだんだ。まあ、簡単に言ってしまうとだけどね。何にしても、君が観てくれるといいなと思うし、気に入ってくれればいいなと思う。ああだといいな、そうだといいな、こうだといいな。
みんなが元気にしてることを願って。
マイク
Posted by Humans at 01:51 PM
October 20, 2005
新しいアイディア
新しいHumansのデザイン制作に取り組みたくてうずうずしている。まだどのような形になるかはっきりしたものがあるわけではないけれど、何とも言えない悶々とした気分になっている。こういう気分の時は新しい何かが飛び出てきて僕の関心を引くか、忘れていた古いアイディアが再浮上してきたりするのが常だ。
ここにまだ未成熟なアイディアの発端になるかもしれない物達を紹介しよう。こうしてみんなに見せることで、将来何かの形にするチャンスを失ってしまうこ とに果たしてなるのだろうか?それは僕にはわからない。
コヨーテについての何か。
ここにあるバージョンの「ライ麦畑で捕まえて」を使った何か。
ものすごく愛くるしいテディベアーを描いたテッド・メンテンについての何か。
Mike
Posted by Humans at 05:22 AM
October 16, 2005
ロス、ミラノのHumans
これはミラノにあるブティック「Trip」とロスにある「reserve」でのHumansインスタレーション。ひょっとするとHumansはこのまま決まった店舗を持たずにいるのかもしれない。これからもずっと、ふとしてはある場所に現れ、いつしか消え去って無くなっていく、永遠性の無い現象であり続けるのかもしれない。そうすれば店舗を維持し続けるためにものを売り続けなければならないという概念、商売と普遍性の落とし穴にとらわれる必要がないので、それはいいことなのかもしれない。でも実際うまく行くのだろうか?
Mike
Trip, Milano
Reserve, Los Angels
Posted by Humans at 05:54 AM
カウブックス 南青山(東京)のHumans
これがもう一つの東京Humansインスタレーション、カウブックス南青山店。ブックディスプレイケースの奥に見えるのは、「Mark's Paper Ribbons」の拡大バージョン。その前にはHumansものとそのデザインに関連した書籍類が並べられている。僕はいつもDaniel Burenの縞がモチーフのインスタレーション作品を崇めていたから、特にこのデザインにおいての彼の影響は明らかだろう。僕が作る同じパターン一つをとっても、いろんなシチュエーションへの適用が可能で、それぞれの状況がまたそのデザイン自体に新しい意味合いを持たせていっていてとても面白い。僕は常に、さりげなく日常生活に入り込める「アート」作品に傾倒していた ー 世の中のほかのものから隔離されることなく、一緒に存在できる作品に。僕にとっての「Mark's Paper Ribbons」はいろんな事、しかもどちらかというと堅苦しい意識を代弁しているデザインだ:すべてのものははかないという事実への賛嘆、安く手に入 る使い捨てペーパーリボンがもっとも美しいアートになり得るという現実、そして僕の亡き父への畏敬の念が込められている。そういったどちらかと言えば重ための意識が、このような日常の商業的な環境におかれているという状況に、僕はとても興奮する。このお店に足を運ぶ人たちの誰一人として僕がこのデザインに込めた思いすべてを理解している人はいないと思うけど、そこまでを含めたところにこの作品の方向性はあるんだ。正直、他人が僕の作品やその他の人たちの作品から何を感じ取ったり取らなかったりするのかなんてわからないし、アート自体がどのようになっていくのかは、今までになく不確かだと思っている。こういった概念を作品自体に取り込むことに自分か成功しているとは思わないし、それが完成形だとも思っていないし、またけしてそれが新しい観念だとも思っていない(民芸運動、ウィーン工房、バウハウス、フルクサス、などなど)けれど、そういった意識が僕を駆り立てる原動になっているのは事実なんだ。
Mike
Posted by Humans at 05:13 AM
October 12, 2005
東京、プレイマウンテン ヴィラ
これが今開催中の東京のHumansショップ。こんなに素敵なお店を手がけてくれたプレイマウンテンの皆さん、ありがとう。このお店の小ささとシンプル さが大好き!Humansを始めた当初からタカフミとヒトシと僕で夢見ていたのは、とにかく居心地のいい場所で、面白い古本や、CD、レコード、DVDなんかがあって、コーヒーだって飲めたり、また他のデザイナーの作品に出会ったり、最新のHumansものを見ることのできる場所。僕の夢は、Humansのお店を気軽に足を運べるギャラリーのような、願わくばそんなに高くない値段でものが買うことができる、排他的な「クールさ」のない場所にすることなんだ。
ここにbuildingのパターン生地で作られたおそろいのエプロンをつけている人たち [tasyard cafeスタッフの方々] の写真を(生地には小さな黄色い文字で「不安に苛まれる動物は人間と関係を持つものだけ。」と書かれている)。他にはリボンからキーチェーンがつくられていたり、ほかのパターン生地からバッグなんか[プレイマウンテンオリジナル]を作ってくれている。
ああ、東京に住んでいればお店に遊びに行くことができるのに!
Mike
HUMANS shop @ Play Mountain VILLA
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Posted by Humans at 01:37 PM
October 08, 2005
チューリヒ、ニーヴにてHUMANS展覧会
チューリヒ、ニーヴにてHUMANS展覧会
09/09/05 - 09/26/05
ニーヴ主催のベンジャミンが、チューリヒにある彼のニーヴスタジオを使ってHUMANS作品の展示を企画してくれた。それから、僕が手がけたHUMANS最新作を集めた小さな本も[Nieves Booksのシリーズとして]出版してくれた。ベンジャミンが手がけたインスタレーションを僕はとても気に入っていて、特にこの写真のような生地のパネ ル貼りりを見て、こんな風に生地を見せるなんて自分では思いつかなかった、とつくづく感心している。この先もHUMANSというものが、もっともっと共 同体化していけばいいと思う:僕がHUMANSで作るリボン/パターン生地/その他から人がそれぞれ自分のものを作ることを奨励するとともに、僕のデザインにはより「自分のもの」ではない要素(歴史、事実、システム、見つけたイメージ、他の人の人生)が取り入れられていく。今の僕は新しい制作の出発地 点にいるような気さえする。それから、ベンジャミンが手がけてくれたインスタレーションは、生地/Tシャツ/バッグ/リボンといったはかない商業物品と「アート」という二極の間の絶妙なバランスを突いたものだと思った。[僕の作っていく] 作品にはどのようにかして、Tシャツでありながら絵画である、という二極の文化的要素を併せ持つものであって欲しいと思う。矛盾に聞こえるかもしれないけど、そこがまた気に入っている。
Mike
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Posted by Humans at 03:38 PM
August 01, 2005
Hello humans!
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こんにちはヒューマンズ!この会社がその名も「HUMANS BY MIKE MILLS」だなんて生意気だと思う?僕はちょっと思ってしまう。
何を考えてたんだろう?僕が人間を創ったとでも?そんな心地悪さを僕が感じていることを、まずは知っていてもらいたいと思って。これはHUMANSウェブサイトにおける僕の初めてのブログ。もう今以上に僕自身の話を聞きたいなんて人はいるのだろうか?まあ、それはこれは答えを求めての質問ではないのだけど。そうだね、ついこの間のパーティーについてでも話そうか。もちろん写真は全然撮っていないのだけど、何が起こったかをここに書こう:
僕の友であり、すばらしいアーティスト、兼写真家、兼人物であるマーク・ボースウィックが7月7日、僕の裏庭でコンサートを開いた。マークは今では声とアコースティックギターだけで全く自由な音楽作りをしている。彼は可笑しくて、髭面で、変わっていて、優しくて、これまたとびっきり自由なんだ。一日かけてみんなのためにたくさんの料理を、ワイルドな、かつ愛嬌のある狂乱のうちに作り上げた。マークの写真と音楽と料理は全てどこか通じている。ショウガチョコレートに抹茶をまぶしたものを一から作り、他にはブルスケッタ、それからサラダ数種を作った。作業中のマークを見ていると、何もしていないか、ただキッチンを散らかしているか、もしくはキッチンで遊ぶ子供のように見えてくるのだけれど、そんな風にして驚くべき、ものすごく美味しい料理を作ってしまうんだ。全ての材料はシンプルなまま、ざっくばらんに整えられ、大きく切って使われ、目にもわかりやすいのだけれども、ショウガと抹茶の取り合わせなど、驚きを孕む料理となる。作り終え、皆に振る舞い終えたマークは裏庭にある木によじ登った。これは比喩じゃなく、実際に枝を伝って木によじ登り、枝に座って下に座る50人程度の人たちに見上げられながら彼はギターを演奏したんだ。僕の裏庭はまるで舞台のようになった。マークはそのまま数時間演奏したと思う。大概の人が堪能していた様子だったけど、何人かには難しいパフォーマンスだったようだ。その混乱は、特に良質の料理とともにあてがわれるそれは、いいシチュエーションになり得るものだ。ええと、全然関係ない変な話だけど、今ちょうど僕の首筋にでかい飛ぶゴキブリのような虫が落ちてきた。なんだかわからないけど、これを書いている僕の首筋に突然落ちてきたんだ。なんという奇遇。これにはどういう意味があると思う?君に向けてこのブログを書いていることに何か関係があると思う?今までこんな事が起こったことは無かったのに、どうして今起きたのだろう?これを読んでいる君には何が今起きているの?何を着ているの?どうして外で遊んでいたり、誰かに口づけをしていたするのではなく、これを読んでいるの?君の近くにも虫はいる?もしかするとどこかに「虫首」にちっこい人間を乗せた虫がこれを読んだりしているのだろうか?その虫はそこら辺にあった机を綺麗にするためのペーパータオルで人間をつぶし、その屍をペーパータオルとともにぽいっとゴミ箱に放り込んだりしたのだろうか?もし虫たちがペーパータオルを持つとしたら、彼らにも森林伐採や、消費社会やオゾン層破壊があるのだろうか?仕事のさらにその先の人生の意義を虫たちも考えたりするのだろうか。虫たちも落ち込むことがあると君は思う?そうだからそもそもこのブログを虫は読んでいたのかもしれない。君はパーティーを開くのが好き?子供の頃、僕の両親は毎週末のように家でパーティーを開いていた。僕の父は美術館のディレクターをしていて、大きなパーティを催すことも仕事の一環のようだった。僕はこんな家中に広がる光景を目の当たりにしながら、変わった、時には酔いすぎた大人達に囲まれて成長していった子供だった。今大人の自分を連れてこれらのパーティーに戻ることができればと思う。10歳の自分を追ってやり、そんなに心配することはないんだよ、と言ってやりたい。
マークから学べる主要事項:
1. 自身のもっともキチガイじみたアイディアを信頼し、その狂った自分自身を信頼してやること。
2. その状況を楽しむこと。マークはどんな物事にもとらわれすぎないことにおいて実に優れている。
3. 自分のやりたいことをやり、他の人が引いているなんて事は気にしないことー他人はそんなことはすぐに忘れてしまうか、そのことでより君を好きになるか、もしくは直に君もそれを止めるだろうし、他人はそんなことおかまいなしに生きていくのだから。そもそも誰の人生だっけ?
4. シンプルであるというほど複雑なことはない。
5. 料理は大切な芸術だ。
ここに木に座っているマークの絵を描こうと思ったのだけれど、ちょっとイライラしながらため息をついた。するとと同時に僕の犬、ゾーエが机の下で同じようにため息をついた。彼女をみながら、これまでにないようなとびっきりの繋がりを感じていた。結局そんなわけで、ここには今僕のオフィスの隅っこに体を押し込めるように寝ているゾーエの絵を描くことにした。とても暑いので、まるで自分の足までもが暑苦しいかのように体から離れたところに投げ出して寝ているゾーエ。ではおやすみ。読んでくれてどうもありがとう。マイク。
Posted by Mike at 04:05 PM
